もし子どもがいじめを受けたら、親はどのように対処すべきなのでしょうか。
常に子どもの表情や行動をつぶさに観察して、おかしい様子が無いか見守りましょう。
いじめはどれくらい起こってるの?
いじめの認知件数は、2017年に過去最多の32万件に達し、小学校で57%も増加しています。
参照元:https://news.yahoo.co.jp/byline/ishiishiko/20171028-00077439/
32万件ということは少なくとも、分かっているだけでも1日876件のいじめが全国各地で起こっていることになります。
いじめは大きく分けて2種類
いじめは本人が気付いていない場合と、気が付いている場合に分かれます。
まだ幼いうちは、意図的な嫌がらせであることに気が付かない場合があります。
本人がおおらかな性格で気が付かない場合もありますが、大きくなっていくにつれて悪意のあるいじめなのか分かっていくこともあります。
まだ子どもが小さいうちは、授業参観などの園や学校の行事に積極的に参加して、子どもや周囲の様子をつぶさに観察しましょう。
ご近所の同級生のお母さんとブレーンを持つことで、自分の耳に入らなかったいじめの実態を知ることもできます。
子どもはいじめを親に言いたがらない場合も
いじめを認めてしまうと自尊心が傷つくため、なかなか自分がいじめられていることを自分でも認められない場合があります。
心の中ではいじめだと分かっても、親や友達には格好悪くて相談できないと思っている場合もあります。
またいじめを認めて状況を誰かに話すと、いじめのシーンを思い出しまた傷ついてしまいます。
いじめを発見するには、親子関係をなるべくオープンにしておくのも大切です。
「学校で何か困ったことはない?」と直接聞いたり、いつでも相談に乗ってくれそうな雰囲気を出しておくと良いかもしれません。
忙しくて子どもの話を聞かなかったり、一緒にいる時間を取ってあげないと、親に気を使って言い出せない子どももいます。
我慢を強要しない
いじめを受けていることが分かったら、子どもの心を抱きしめてあげるのが大切です。
「それくらいのことで負けてどうするんだ」とか「それくらいなんだ、学校は休まず行きなさい」、「お前の責任だ」など責める態度はNGです。
「つらかったね」とか「よく話してくれたね」と子どもの心に寄り添って共感しましょう。
まだ小さい子どもだったり嫌がらなければ、ハグをするのも有効です。
肌に触れると親も子もオキトキシンという幸せホルモンが分泌されます。
辛くて悲しい気持ちも、お母さんやお父さんのハグがあれば和らぐ場合も多いはずです。
子どもの心は傷付いていますから、親だけは理解していることを示すてあげましょう。
園や学校に連絡して状況を説明する
いじめについて学校や加害児童と交渉する場合、とても難しく苦痛を伴います。
学校も、いじめをした児童もいじめを認めたがりません。
いじめを解決するには、まずは事実確認をして証拠を保管したり文書を作成しましょう。
怪我をしていたら写真を撮って病院へ行き診断書をもらいましょう。
嫌がらせメールや手紙などの証拠は保管します。
クラスメイトや、他の生徒の父母から話を聞いて情報を集めます。
それから学校や教師、加害児童と交渉したり、場合によっては相談所や探偵などを使って解決のために動きます。
加害児童や学校に謝罪をさせても改善されなければ、転校も検討します。
さらには教育委員会や弁護士、裁判所など外部へ働きかける方法もあります。
選択肢を広げる手伝いをする
残念ながら中には、絶望して命を絶ってしまう子のニュースもよく見聞きします。
子どもはまだ世界が狭く、学校や家庭で起こったことが全てだと錯覚してしまうのです。
いじめを受けたり不登校になったとしても、いつでもやり直しは効くと親が示すことも大切です。
もしいじめを受けていることが分かったら、選択肢を与えた上でどうしたいのか子どもの心に問いかけてみましょう。
無くなればこのまま通えるのか、それともクラスが替われば通いたいのか本人の意思を尊重しましょう。
それとも転校をすれば学校に楽しく行けるのか、フリースクールに通うという選択肢もあります。
いじめがあった場合、教育委員会が許可を出せば引っ越しをしなくても、転校できるケースも多いです。
転校すれば学校に行けそうなら、教育委員会に働きかけたり、いっそのことすべてをリセットするために引っ越しをしても良いですね。
学校に行けるかどうかよりも、周囲に自分をしっかり理解して受け止めてくれる人がいることが一番大切です。
フリースクールは傷ついた子供たちが通う施設なので、同じようにいじめなどで不登校になった子どもが集まります。
いじめがないと分かれば安心して楽しく暮らせるのであれば、本人が望むように導いていくのも親の役目ではないでしょうか。